牛乳に含まれるたんぱく質の主なものは、全たんぱく質の80%を占める「カゼイン」です。これには、必須アミノ酸を含め、20種類のすべてのアミノ酸が含まれているので、非常に栄養価の高いたんぱく質であるといえます。

また、牛乳には「カルシウム」が多く含まれていることも知られています。カゼインはα、β、κなど数種類のカゼインからなり、牛乳の中ではそれらが会合して「サブセミル」と呼ばれる球状の液滴となっていて、カルシウムはその表面に、リン酸カルシウムとして存在しています。

このサブセミルは、内側に疎水性の大きなαーカゼイン、βーカゼインが存在し、外側には親水性で、糖鎖をつけたκーカゼインが多く存在しています。そしてこのサブセミル同士がさらに大きな「カゼインミセル」を形成し、牛乳を形作っているのです。牛乳にはほかにも、乳清たんぱく質である「ラクトアルブミン」「ラクトグロブリン」といったたんぱく質も含まれます。ちなみに、牛乳を加熱するとできる表面の薄い膜はカゼインではなく、ラクトアルブミンやラクトグロブリンが熱によって変性し、凝固したものです。

一方、卵は、特に「白身」と呼ばれる部分(卵白)に多くのたんぱく質が含まれています。卵白の90%は水分ですが、残りの10%は、ほとんどたんぱく質で、そのたんぱく質のうち54%を占めるのが「オボアルブミン(オバルブミン)です。卵白にはほかにも、「オボトランンスフェリン」「オボムコイド」「リゾチーム」などのたんぱく質が含まれ、いずれも胚の保護や微生物からの防御などにかかわっているたんぱく質であると考えられています。