大豆は「畑の肉」といわれています。それはアミノ酸価が100で牛肉などのたんぱく質と比べても遜色がないからです。大豆とそれを原材料とするさまざまな食品(豆腐、豆乳、おから、味噌など)は、たんぱく質が豊富な食品として知られています。大豆の成分の、実に半分以上はたんぱく質なのです。

大豆に含まれるたんぱく質の代表が、グロブリンの一種「グリシニン」で、たんぱく質のおよそ37%を占めます。2種類のサブユニットが6個ずつ、合計12個のサブユニットからなる大きなたんぱく質です、次に多いのが「コングリシニン」で、この二つだけで、大豆たんぱく質の3分の2を占めます。

穀物などに含まれる動物性たんぱく質には、制限アミノ酸が存在することにより、牛乳、卵、肉などの動物性たんぱく質に比べて栄養価が低いという特徴があります。多くの植物性たんぱく質の制限アミノ酸は「リジン」で、その含量は低いですが、大豆たんぱく質であるグリシニンやコングリシニンは、そのリジンの含量が他の植物性たんぱく質に比べて高いのです。

その結果、大豆たんぱく質の栄養価(アミノ酸価)は他のものよりも高く、現在の基準ではアミノ酸価が100と、牛肉や卵などの動物性たんぱく質と比べても遜色なく、これは大豆が植物性たんぱく質のなかでも唯一牛肉や卵や牛乳に匹敵するアミノ酸価になっています。ただし、やや「メチオニン」の含量が低い傾向にはありますが、これが大豆が「畑の肉」といわれるゆえんであるといえます。