アミノ酸の名前は「アミノ基」(-NH2)という原始の塊を含んでいることに由来します。また、「酸」はどこからきているかというと、その分子中に水溶液中でマイナスに荷電する「カルボキシ基」(-COOH)が含まれているからです。さて、アミノ酸はたんぱく質の材料ですが難しい言葉を使うとアミノ酸は、たんぱく質の「基本単位」であるといえます。

言い換えると、たんぱく質の性質はアミノ酸が決めている、ということになります。決めている、とはどういうことなのでしょうか。アミノ酸のなにかが、たんぱく質の性質を決める重要な要素となっているのです。その何かとはアミノ酸の種類、そして数です。アミノ酸の種類は20種類あり、たんぱく質はこのアミノ酸の配列によってできます。

どの種類のアミノ酸がどういう順番でどれだけの数つながるか、これがたんぱく質の性格を決めます。そして生物は体内でたんぱく質をアミノ酸の配列で合成することができ、たんぱく質の材料である20種類のアミノ酸のうち、過半数新たに合成することができます。しかし9種類は体内で合成することができないので、外部から食物として取り入れなければいけないのです。これらのアミノ酸を「必須アミノ酸」と呼んでいます。これは外部から摂取することが生存に必須だからなのです。

たんぱく質の栄養価が高いということはこの必須アミノ酸が必要な分だけそのたんぱく質に含まれることを意味しています。また、たんぱく質において、最も不足している必須アミノ酸のことを「第一制限アミノ酸」といい、この量をもとにして算出される栄養価を「アミノ酸価」と呼んでいます。このアミノ酸価が100であれば「第一制限アミノ酸」は存在せず必要なアミノ酸が含まれているということになります。食品の中では「牛肉」「大豆」「卵」「牛乳」がこれにあたります。