骨は、コラーゲン繊維の間にリン酸カルシウムを主成分とする無機成分が沈着して形成されます。一般に骨にはカルシウムが重要だと強調されることが多く、昔から牛乳をたくさん飲むように勧められてきました。骨生成が正常に進行するためには、骨の乾燥重量の約20%を占めるコラーゲン繊維が正常に形成されていることが必要です。

骨の機械的な強度に関係する骨密度(体積あたりの無機成分の量)は加齢に伴って低下します。特に女性では、閉経後の女性ホルモンの減少によって骨密度が低下しやすいため、骨折による寝たきりの原因のひとつとなっています。骨密度は、食事に含まれるたんぱく質の量が不足すると低下します。

飢餓や手術後で食事がとれない低たんぱく状態がこれにあたり、加齢のモデルともされています。マウスの餌のたんぱく質を通常の「14%カゼイン」から「10%カゼイン」に減らして飼育すると骨密度が低下しますが、このとき、カゼインの一部をゼラチンに置き換えると、カゼインのみの場合と比べて骨密度が有意に高くなります。ゼラチンやコラーゲン、ペプチドの摂取によって骨の機能が改善されることは、ラットを用いた研究でも確認されています。

関節に痛みを伴う炎症が起きる関節痛は、加齢や運動などによって引き起こされます。調査機関の研究では、激しい運動によってアスリートに起きた関節痛が、1日10g、24週間のコラーゲンペプチド摂取によって有意に低下する事を報告しています。