まずは、私たち日本人の典型的な朝ごはんを覗いてみましょう。湯気の立った炊き立てのご飯にこれもまた湯気の立った、やけどしそうなほどアツアツの味噌汁。平皿には温かい卵焼きと鮭の塩焼きが静かに並び、わきの小皿には白菜の漬け物とたくあんが、お互いに身を寄せあうようにして食べられるのを待っています。

これはいわば、代表的な日本の朝食で、ホテルのレストランなどでは「和朝食」と言われる類でしょう。その対となるのは「洋朝食」で、おそらくは、バターを塗ったトースト、ベーコンエッグ、野菜サラダ、そして牛乳などといったものが並ぶのでしょう。ホテルのバイキングでは和洋折衷のスタイルが浸透し、じつにさまざまな食品を選択できます。

いったいなぜ、私たちはご飯を食べるのでしょうか。なぜ生物は、何かを食べなければ生きていけないのでしょうか。それは自分自身の体を動かすためのエネルギーを作り出すためであり、私たちの体を作っている材料をリフレッシュするためなのです。何もないところからエネルギーを取り出すことはできませんし、また古くなって捨てられていく材料をそのまま放置しておくこともできません。

そのために私たちは食べ物を食べ、いわゆる栄養素を体内に取り入れる必要があるのです。そうした栄養素の中で最も重要なものの一つが、今回の主役の「たんぱく質」です。たんぱく質はほとんどの食品に含まれています。さきほどの朝ごはんではどうでしょうか。卵と肉にたんぱく質が豊富に含まれているのはよく知られていますから卵焼きとベーコンエッグはまさに「たんぱく質」の塊です。

味噌汁も大豆からできていて、大豆が「畑の肉」と呼ばれていることから味噌汁もたんぱく質をよく含んでいるようです。魚も牛乳も、たんぱく質を多く含んでいます。お米や小麦、野菜にもたんぱく質は含まれています。そう考えると私たちは結局何を食べてもたんぱく質をとっているということになるのです。